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時代が求める「集中」のチカラ。
手にするためのその秘訣とは!?

スポーツスタッキング。おそらくこのスポーツ競技の名前を聞いたことある人はほとんどいないだろう。しかし、そんなマイナースポーツ競技において、世界の頂点を極め、今もなおアジア・日本で絶対的にNo.1に君臨する男がいる。世界で唯一のプロスタッカーでもある瀬尾剛選手。1/1000秒を競い、競技時間は短いものはわずか1秒強。その勝負を勝ち取るために、おそろしいほどの「集中力」を要するのは言うまでもない。その「集中」の達人が今回対談する相手は、いま世の中的に大きな話題を呼ぶJINS MEME※1の開発メンバー 井上一鷹氏。おそらく、いま世界でも最も「集中」を語れるといっても過言ではない。「集中」を科学的に解析しどのように「集中力」を高めるのかを追求する。そんな彼にとって、スタッキングはどのように映るのか?

世界一集中できる場を目指して作られたTHINK LAB※2で、この二人の「集中」のプロがまったく違う立場から「集中」について語る。

 

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※1 JINS MEMEとは、株式会社ジンズが販売する、自分の集中度を知り、効率的に集中を生み出す方法を習得することで、仕事も、趣味も、スポーツも、最大限のパフォーマンスが発揮出来るメガネ型ウェアラブルデバイスです。

 

※2 THINK LABとは、株式会社ジンズが運営する「一人で集中できる場所」を追求し、集中を乱す要因を全てなくし、業務やタスクに応じて集中力、クリエイティビティーを最大限に引き伸ばしてくれる会員制ワークスペースです。

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瀬尾:自分の場合、競技時間が極端に短いので。長くて10秒くらい。一番短いのだと2秒台とか3秒台とか

 

井上:え、すげー!短い!そうなんだー。。。

 

【実演】

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すでに早い。

すげー。

 

全くまばたきしていない。

おーーーーー。

なんだろう。

 

パチパチパチパチ。

すごーい。

 

 

井上:これを普通の人がやって、オフィスポでは自分の集中力を高めて仕事に入るんですか?

 

瀬尾:どちらかというともともとはブレークタイムが中心ですね。脳とか、働いている環境に変化を持たせる。スタッキングに関しては、まさに手を使って脳を刺激するというのもありますし、タイムトライアルとかやるので競争心とかコミュニケーション活性化するのがいま現状です。ちなみにいま、現状3秒台がオフィスポレコードです(笑)

集中にもなるしリフレッシュにもなる気がします。単純にちょっと子供に戻ってじゃないですけど、ゲームで遊ぶっていうので仕事の合間にリフレッシュ、になるんですね。

井上さんもいかがですか?

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瀬尾:お、6.1秒!!

社会は「集中」を奪うものだらけ。
だから、いま「集中」が不可欠だ。

井上:6年くらい前にジンズに入って、メガネ屋のジンズにいながらこういうウェアラブルと呼ばれるJINS MEMEを作っています。視力矯正のメガネを提供することを考えるとかなりのシェアまで来ているため、できる限り違う視点でメガネを使っていただくという付加価値を探して、ひとつはJINS PCみたいなパソコン用メガネという切り口で、そういったものを探していく中で出会ったのがこれです。

 

瀬尾:JINS MEMEはどのように「集中」の測定を?

 

井上:目は口ほどにものを言う、って言いますが、目の動きを追うんです。重心バランスでも地面から一番遠い場所で、メガネって絶対に変わらない掛け方があるんですよね。スマホと違って絶対に正の位置があるんですよ。たとえば1日に平均とって左に2度ずれていたら膝壊している可能性があるんですよね。そういうことがわかるんです。中心バランスっていっても、しっかり絶対に同じ方向でかけて同じ位置にあるので、体の全てのバランスが出てくるのがこのメガネの位置なんです。体のバランスと目の動きを追ったらめちゃくちゃいろんなことがわかるんじゃないか、と思って作ったんですよ。

 

瀬尾:そんなに細かくわかるんですね。すごい!

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井上:今日のテーマの「集中」というのはこのJINS MEMEでわかる一つの要素なんです。目の動きからその人の生理状態を見ようとおもったら集中って結構わかりやすくて、集中するとまばたきがめちゃくちゃ減るというのが学術研究であったので、そこをベースに集中ってものをどうアプリケーションサービスにするかってことをシーズアウトで考えてたんです。

そこにちょうど文脈上、働き方改革の話がでてきて日本の労働生産性が低いと言う議論があったので、いろいろな人事の人に集中力が測れますよと1年半前からこの商品の話をずっとしていったら、一番食いつきが良かったのが、お坊さんと人事だったんですよ。

 

瀬尾:へー、お坊さん!?

 

井上:マインドフルネスをやっているようなお坊さんって、自分の「集中力」をあげるために瞑想をストイックにやったりしますよね。でも、マインドフルネスをやったときに難しいのが、やった結果よくなったかどうかを日常生活で測れないっていうのがあり、そこで集中を測れるとすごくそれがいいよね、というのが1つの切り口。

 

もう一つがさっきいった人事の働き方改革の中で、今って結局残業削減の話しかあまりされていなくて、残っている数字が時間だけなんですよ。データとして。そのような中で「集中」という一つのパフォーマンス、しかもすごく個人として大事なパフォーマンスを見える化できると、いろんなことわかってくるんです。

たとえば、お昼ご飯に丼物を食べると昼以降、集中が落ちるんですよ。お昼たべて血糖値あがりすぎて、30分後には血糖値下がり始めるんで、お昼ご飯をどう工夫するかとかが重要で。あと、寝る前スマホも集中が落ちるんですよ。次の日やっぱり眠りが浅くて。だから、働き方改革のように仰々しいこと言ってないで、まずは昼ご飯変えたり、椅子変えたりっていう話がデータを元に語れるのでそういうのを楽しんでいただいていたりしますね。

ちなみに、そんな「集中」について語れるならJINSの社員は集中してるんでしょ、と言われて測ってみると全然集中してない(笑)だから、いろいろ学んだ集中の知見を盛り込んだ世界で一番集中できる場所を作ろう、というのでこのTHINK LABなんです。

 

瀬尾:さっきもここくる前に案内していただいて、マインドフルネス向けの畳の間があるとか集中できるために椅子の角度があるとか。今の話を伺って、そういう思いとか考えがあってこういうのができたんだ、というのを改めて実感しました!

 

井上:今ってスマホのアプリとか、同僚とかが集中めちゃくちゃ削いでくるんでしょ!「ちょっといいすか?」ってやつ。「ちょっといいすか?」が、本当に集中を落としてくるんですよ(笑)あとはポップアップですね。スマホのチャットやアプリのそれで「集中」が落ちるんですよ。人って何かに集中しようと持ってから深い集中に入るまでに平均的な人だと23分かかるんですけど、現代人は11分に1度話しかけられるか、見なきゃいけないメールかチャットが鳴るんですよ。

MEMEで測ると面白いのが、何かの音をならすんじゃなく、メッセージ着信音がなった時の方が人の集中って落ちるんですよ。あえて気になる連絡チャットツールが、しっかりと俺らの集中を落としてくるんですよ(笑)そう考えると、隔絶しなきゃいけないときがあると思うんですよ、世の中から。

 

瀬尾: たしかに、自分も練習のときにくる連絡は基本的には無視しちゃいますね。電話がくると出ないといけないじゃないですか。一度電話に出た後、もっかい練習に戻るとやっぱりリカバリーに時間かかりますよね。それまでこの感覚でこのタイムで出そうだった、っていう感覚がなくなったとこから始まるというか、しかも一回切れちゃったんで、若干足の疲れなんかも感じた上での再スタートみたいなの。そこの質的にはガクッと落ちてるので。。。

 

井上:たしかに、昔10年前はケータイは開くまで見えなかったじゃないですか。これでも見れる、ものすごい犯されてますよね。通知を全部切った方がいいですよね。電源落とすくらいの勢いの・・・笑

 

 

「没頭」→「集中」というメカニズム。

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井上:瀬尾さんは、競技タイムを上げていくという最大の目的の前の集中を高めるという手段に対して何かやってることってありますか?

 

瀬尾:それが申し訳ないんですけど、集中力を高める、ということに集中して考えたことがなくて。このスポーツスタッキングをやり始めてから集中力が高まったという人なんですよ。はじめたのが14年前の中3のときにこの競技に出会って、タイムで測ってこうやるんだよというのを知って、そのときにタイムがあがっていくのにすごいはまったんです。たとえば、当時中学生とか高校生でテストのときに、家に帰ってきてから勉強して18時くらいになって疲れたときに、そこでスタッキングやるようになったんですけど、1時間くらい本気で練習して目標タイムつけてやったんですね。そのあと、ご飯たべてまた勉強する、みたいになって結構成績が伸びたんですよ。集中力がアップするという研究結果がアメリカの大学が出ていて、自分もその通りになったというか。

基本的には子供の頃から結構ハマるというのがあったんです。けんだまとか、遊園地の乗り物の同じもの1時間乗り続けるとか。

 

井上:え、あ、1時間も乗り続けるような人っているんですね(笑)

今の話を聞いて思うのが、まず間違いないのが、集中をした経験は次の集中をあげるんですよ。筋トレと一緒で、脳の筋トレなんですよね。瞑想とかって、何かひとつのことを、たとえば呼吸だけに集中して、たとえば昼ご飯食べたいなとか思うじゃないですか。それに気づいて戻す力を強めるというのが瞑想なんですね。一個のこと、シングルタスクにちゃんとすぐに戻ってこれる、これを続けられる能力が集中なんですけど、これをやればやるほど次の集中ってしやすくなるんですよ。そういう経験をずーっとされている人ってのはそもそも集中が高いのは絶対そうなんでしょうね。趣味もってるとか何か没頭するものを一個もっているのは、他のことにも没頭できる、というのは間違いないことですね。

 

瀬尾:夜の11時半くらいに、ふと気持ちが動いて、そっから2時間くらい集中して部屋かたづけるとか(笑)スイッチのオン・オフは激しいので、良くも悪くもなんですけど、あんまり興味ないな、って思ったことはあんまり集中できない。けどやってみて、お、これは、というのを思った瞬間にバチンと入るイメージなんですけど。

 

井上:一個あるのは、「静」と「動」は交互にしたくなる、という話があって、期末試験の前って掃除したくなるのって、その後「静」の時間があるから「動」をつくるらしいんですよ。スタッキングって「動」じゃないですか。仕事とか勉強って「静」であることが多いので、メリハリがついていいんだろうなというのは間違いなくあると思って;

人って1日に4時間しか集中できないみたいな話があるんですけど、「静」と「動」をきりわけるともうちょっと違うのかな、というのを聞いてて思いました。

 

外的承認欲求よりも、自己満足欲求を大切にする時代へ。

 

井上:何かに対して没頭する人って意味とか意義とか語らないんですよ。それすごいなって思ってて。意義があることをするとか、快楽があるってことは幸せじゃないですか。だけど、何かに没頭するっていうのは、意義がなくても快楽がなくても幸せなんですよ。これがチクセントミハイという人がいってるフローっていう状態なんですけど。フロー体験っていう超集中状態に入ると、人は勝手にドーパミンが出て幸せなんですよ。それは自己完結できるんですよ。そういうのに長けている人って「集中」が高くて。

それは外的承認欲求ではなく、内的な自分がそれをやってることに意味もなく幸せを感じれるということなんです。

人に認められたいみたいな欲求で外的な何かに集中しようとすると、それが下がったら急に集中しなくなるし、それに満足しなくなってくる。自分で理由もなくこれは没頭できちゃうんですこれは、というのをもってる人が強いんです。

そういうものをみんな持った方がいいな、と。

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井上:それがいま、スマホゲームにいくんですよ、みんな。これ、「静」なんですよ。そういったゲームに集中すると、仕事に向けた「静」の集中を食ってるかもしれなくて、集中って1日4時間しかできないって言われている中、「静」状態の集中をゲームが食っちゃってるかもしれないけど、スタッキングだと回復までいくかわらかないけど切り分けて食わないな、というのが大事だなという気がしますね。だからこういうのやった方がいいな、って思います。あとは、集中っていったときに五感ができるだけ広く感じれるものだ、っていうのが意味が深い気がしました。触覚もそうだし、視覚も聴覚も訴えかけてくるじゃないですか。

スタッキングは。

 

“持続的”集中よりも課題となる“瞬発的”集中。
「10秒の必死」が解決の糸口となる。

 

瀬尾:基本的には井上さんをはじめ、ほとんどの人が初めてやるのがスタッキングだと思うんですけど、いままでにない刺激というのは集中に影響力とかあるんでしょうか?

 

井上:競技性をもたせようと思った時に、卓球みたいに経験値がいきるようなものだと競技性を持たないですよね。絶対に勝てない人が現れたりするので。スタッキングはひっくり返る可能性ありますよね、経験値がないから。だから楽しみやすいのと、

新しいという意味では、動かしていない筋肉と動かしていない脳みそを動かしている感覚というのが近いと思っていて、そういう意味で、使っていない部分を使うのは活性化しやすいんじゃないかな、と。走りに行くよりもいい気もするんだよなー。なんでだろうなぁ・・?

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瀬尾:10秒みたいなサイクルってあるんですかね?ランニングって1キロとか3キロとかある種単調なものですけど、メリハリがあるというか。。。

 

井上:集中の“瞬発力”と“持続力”でいうと、“瞬発力”の方を問題視している人が多いんですね。集中に入りたいときには入れないという。集中入ったけど長続きしない、というのはあまり問題視しないんですよ。瞬発力上げるっていう意味では、走ったりするよりも10秒だけでいったらこの瞬間に集中する、というのを持つのはいいのかもしれないですね。大人になるとないですからね、10秒だけマジ必死にやらなきゃいけないって。50m走とか入らされることないじゃないですか(笑)そういうことが大事、そういう瞬発力って鍛える場がないのかもしれませんね。10秒だけなんかやれ!ってないですよね。もしこういうもので10秒だけグッと入るのになれていたら、そこの瞬発力が高い人になれば、仕事ってやればそんなつまんないもんじゃないから、やれるじゃないですか。だからその入りが強くなるというのが証明できたらいいな、って思います。

 

瀬尾:小学校とかでこどもにあのカップをたくさんもっていて100人とかで同時に体育の授業みたいに教えるときがあるんですけど、先生たちは1時間って決めたけど正直いつも元気だし話聞かない子もいるし、1時間大丈夫かな、って心配しながらも依頼くださることが多いんです。スタッキングを教えてていいなって思ったのは、みんながやったことないからみんなが同じスタートで、やり方も単純で1時間あるけど簡単な競技しかやらないんですよ。だからできないという子がいない。途中で放棄する子もほぼほぼいないんですよね。導入が入りやすい、スタートが入りやすいっていう意味では、とても簡単というか。さっき30秒くらいでやり方はできるようになってたじゃないですか。そこがシンプルなのがこの競技のいいところなのかな、と。

チャンピオンにJINS MEMEをつけて実践する。
「集中」が高まる瞬間を見出せる。

 

実際に、JINS MEMEをつけて瀬尾さんにスタッキングをしてもらった。3分間装着し同じ動作を繰り返す。これは、試合前の直前練習を仮定し、実際にどれくらい練習をするのが瀬尾さんにとって最適なのか?試合本番に集中を発揮できるのか?を仮説的に導き出す実験である。

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写真⑩実際に装着して測ってみたところ、3分のうちの開始してから120秒くらいのところでまばたきが減り、集中力が高まっていることがわかった。つまり、本番が始まる1分20秒前に練習をリラックスして行い続ければ、ちょうど本番始まるときに集中力を発揮するこができるのでは、ということである。

実際にカップを積み上げている本人曰く、普段どおりだと思っていたことにもこのような気づきが生まれたことは、今後の競技人生においてもとても興味深いし、実践したいと。

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「集中」のメカニズムについて語り合った二人。
対談を終えるにあたり、それぞれからコメントをいただいた。

 

瀬尾:これまで約14年、スポーツスタッキングを練習してきましたが、「集中」というテーマについてここまで深く考えたことはありませんでした。井上さんとお話させていただき、興味深い内容ばかりであっという間に対談の時間が終わった印象です。様々な知識を得られただけでなく、競技者としてステップアップできそうなヒントもいただけたので、今後練習の時にはJINS MEMEを使いながら、「集中」をより意識してみたいと思います。

 

井上:THINK LABのコンセプトをLive Your Life「自分の人生を生きろ」というのは、人が何を求めているかとかじゃなくて、世の中がこうだからこうすべきだ、とかではなくて、俺はこういうことしたい、No Reasonってやつをつくれ、っていうのがここのテーマなんですよ。内的なものでしかなくて、そういうことの方が集中する。如実知見、仏教用語なんですけど、あるがままのものことを知るって言う。それをできる人が集中できるんですよ。集中できる人というのは、自分が何やりたいかを語れるという。そういうのの一助になるといいですよね。スタッキングが。

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