トップパフォーマーがもつ
ポジティブシンキング術とは!?
(前編)
いま、働く環境においてもよく耳にする「パフォーマンス」。限られた時間の中で生産性を上げる、という点では日々のパフォーマンスを高めていくことが求められる時代になっている。パフォーマンスというのは一言で言っても、実際にはプレゼンテーションなど瞬間的に最大化し、よりプレゼンスを高める場合もあれば、毎日過ごす中で平均的に力を発揮し続けなければならない場合もある。しかし、それらは決して異なるパフォーマンスではなく、地続きのものとして高めていくための気持ちの持ち方、行動の起こし方があります。今回お招きしてその「パフォーマンス」について語っていただくのは、世界で唯一のプロフットバッグプレイヤーで世界大会でアジア人初のチャンピオンに輝いたこともある、まさに晴れ舞台で最高のパフォーマンスを発揮した石田太志選手と、バレエを35年以上も続けながらにして、現在はモデルやウォーキングのインストラクターとして活躍する、人に魅せるプロフェッショナルである栗本奈央さん。全く異なるフィールドで活躍するお二人の体験から、パフォーマンス発揮の秘密を探る。
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まずお互いの自己紹介からお願いいたします。
石田:プロフットバッグプレイヤーの石田太志です。フットバッグというのが一番キーポイントになるんですけど、直径5cmくらいのお手玉みたいなボールを足を使って様々な技を繰り出すスポーツがありまして。大学のときにスポーツショップでスケートボードの映像とかかっこいい感じにフットバッグをやってる映像が流れてて、それで始めました。
栗本:たまたまですか?すごーーーい。なんでその、惹かれたというか、やってみようと思ったんですか?
石田:ダンスをやってみたかったんですけど、諦めたんですよ、リズム感がなさすぎて(笑)フットバッグをみたときにすごくダンスっぽくて、それでいてサッカーのリフティングっぽくて。そういったストリート感のある雰囲気に惹かれて買ってみたんです。やっている人がいなかったので、独学で最初やるんですけど、足にも乗らないし、けっても、リフティングやっても2回、3回しか続かない状況で、、、
栗本:サッカーやられているときは上手だったんですか??笑
石田:リフティングだけでも1000回とか・・・
栗本:すごーーーーーい!
石田:でも、1日目は3回とか。あのお手玉は・・・
それくらい勝手が違ったんですけど、このままじゃあまりうまくならないな、と思って一年後に世界大会に行ってみたんですよ。出場誰でもできるんですよ。エントリーすれば。もちろんレベルは高いんですよ。
栗本:大会に出たんですか?
石田:怖いもの見たさにエントリーして。。。全部予選落ちでしたけど、最初は。。。目的として生で見たいということと、アドバイスを聞きたいというのがあって。教えてくれる人がいなかったから。それで出たんです。そのあと、これから世界大会で戦うために、大学卒業前に休学して1年間カナダに住んだりとかしました。
栗本:練習というと、コーチみたいな方も探したりしたんですか?
石田:海外だとストリートスポーツってコーチみたいなのが決まっていなかったりするんで、みんなで練習することでアドバイスもらったりとか、よく集まったりしましたけど。
栗本:向こうでもプロでっていう方って・・・?
石田:いないんですよ。僕だけなんで、いま。これだけで生活してるっていう人がいなくて。
栗本:えーーーー!?全世界で?ただお一人ですか??すごーーーい!
石田:で、プロフットバッグプレイヤーというのも元々自称だったので、自称で自分で作った役職というか。。。フットバッグ関連のことをやってればやってもいいかな、と思ってて。
栗本さんはどのような経歴でいらっしゃるんですか?
栗本:現在はモデルをしながら姿勢とかウォーキングの講師をしています。幼少のころからクラシックバレエを続けていて、バレリーナになりたかった少女だったんです。バレーのために生きてきたんです。本当に。実は、高校卒業してすぐ私もカナダに留学してたんです。そしてそのあと日本に帰ったら、モデルというものに出会ったんですよ。知り合いの方が一般モデルを探しててショーに出てくれないか、とお声がけされて。で、実際に出てみると、プロのモデルさんがなんであなたはモデルをしないんだ、と言われて。じゃあやってみるってやって、そこからモデルとバレエという生活にしたんですよ。
バレエは大好きで、絶対辞めないって決めてたので、本当に週4、5回は練習はしてましたね。仕事があっても。でもあるときやっぱりバレリーナになりたいという夢がどうしても叶えたくって29歳のときに東京バレエ団のオーディション受けたんですよ。そしたら入れたんです。
石田:そうなんですかぁ!かなり狭き門ですよね?
栗本:狭き門ですし、要は29歳で受ける人がまずいないんですね。18、19ですねー受けてる人が。その中で、駄目元でいいやぁ、と思って受けたんですよ。で受かったからバレエ団の中も見れるし、どんなものかっていうのを自分でちゃんと体験できたし、もう納得できたんですよね。で、ちゃんとステージだけ踏んでお別れはしました。
石田:あーそういうことなんですね。
栗本:そこからモデル業してたんですけど、結婚もして出産もして、健康っていうものをすごーく考え出して、ずっと後輩にはウォーキングは教えて指導にあたってたんですけど、でもそれをもっと広い一般の方に向けて発信してくにはどうしたらいいんだろう、というところから自分がバレエをやっているというものを、まぁ一緒に広げたかったので、バレエとウォーキングを要はミックスさせてできるエクササイズみたいなものを今広げていってます。
石田:バレエクササイズ。そうかぁ。そうするとやっぱ姿勢もいいですもんね。ほかの方でバレエのやってらっしゃる方で知り合いの方いらっしゃいますけど、やっぱりそうですもんね。確かに活かせますもんね。
パフォーマンスを発揮できるのは、自分の「自信」と「妄想」。
二人ともまったく違う畑でご活躍されていますが、海外に飛び込んでなど共通点もある中で、パフォーマンスを発揮するためにはどうあるべきとお考えですか?
石田:演技・イベントだとか大会のパフォーマンスってなると、基本的に意識してるのは「自信」をもつこと。それがやっぱり一番緊張をほぐしてくれるというか。フットバッグっていうことに対して僕が自信をもってるから、それを知らない人にお見せするのを間違いなく驚いてもらえるだろうという自負があるからこそ、パフォーマンスを出せる、というのがあります。
栗本:わかる気がしますね。日頃もそのようにパフォーマンスを意識されてるんですか?
石田:日頃のパフォーマンスで言うとやっぱり意識の持ち方なんでしょうけどね。いくらでも妥協できるので。で妥協してその時間ってあっという間に過ぎてしまいますし、いま自分がやりたいこととかやるべきこととか、整理して取り組むようにはしてますけども、そのあたりですかね。
栗本:演技見せるっていうパフォーマンスでいうと、私も結構近いです。日頃やってきてこととか、「自信」があるからこそ出せるってのが自分でもあるんですよね。最低限のラインを高めてあげるほど、やっぱり自信につながっていくからあんまり恐れることなく表現はできるんですよね。表現するのとか、自分がやってきたことを見せるのは楽しいですよね。
石田:緊張あまりしないですか?発表会のときとか。
栗本:そんなにしないですね。
石田:同じ感じかもしれないですね。
栗本:逆にちょっと心地いいいって感じです。見られるのが(笑)
石田:やっぱいいですね。すごいですよね。僕お聞きしていると、結構共感するというか、性格的に近いのがあるのかな、とか。留学行くのかとか、29歳で東京バレエ団を受けるとか。僕もまあまあ無茶してきた方だとうおもんで。なんかその感じが共感します。
栗本:意外とこう見えて、おとなしい子だったんです(笑)
石田:僕がパフォーマンスを出せるというのは、サッカーやっててもフットバッグやっててもそうですけど、本番だけ結構強いんです。たとえば練習試合とかサッカーとかでもあったんですけど、FWをしてたんですけど、バスバス外してよく怒られたりするんですけど、大会のときだけ活躍した選手に最優秀選手賞っていうメダルがあるんですけど、それが本部に飾られていて、欲しいっていうのがあって、なぜかそのときだけ点をたくさんとって、みたいなことが多かったです(笑)
栗本:たまにそういう方いらっしゃいますよね。本番に強いっていう人。
石田:それは結構感じます。あれは、、、そうですね。やっぱり感情の中ではうまくいってる自分を思い描くことが多いですねー。そのぶん、うまくいかないこともたくさんあって、本番でももちろんあるんですけど、そういうときの落差はすごいですけど。
栗本:でも絶対できるはず、っていう感じでしょ?
石田:そういうところから入るから、確率的にうまく言ってる気がしますけどね。
栗本:すごいわかる!わたしも超妄想癖というか、大好きです。あのー考えるの。イメージトレーニングとか。絶対うまくいってることしか考えられないくらい考えてるとだいたいうまくいきますね。引き寄せれるから。
石田:それがありますかね。パフォーマンスを高める一つといいますか。マインドの一つして。
栗本:あると思います。
失敗を恐れず失敗すればいい。成功への近道だから。
石田:あとは・・・・あのよく人に見られて評価されるから怖いとか、よく緊張される方とか聞いたりとかするんですけど、実はそんなに影響しなかったりもするのかな、と思ったりするんです。うまくいこうがいこうまいが。
たとえば誰かの結婚式に出て新郎新婦の人が何を着てたとかってもう覚えてなかったりすると思うんですよ。そのくらい、最初のインパクトはあるかもしれないんですけど、たとえばその新郎が言葉をかんでしまったとか、大きな失敗してしまったとしても、あとから笑い話になってたりだとか。思ったほどマイナスなことがないんじゃないかな、というのがあるので、そうするとちょっと気持ちが軽くなってやりやすくなるのかな、って。
栗本:そこのコントロールというか切り替えというか、上手かどうかというか、変わってきますよね。
石田:そうですね。あとは、失敗したいっていうのもちょっとありますかね。逆に失敗をするのがもしかしたら今後話すネタになるかもしれないし、よく言いますけど、やっぱり失敗したことで成功の発見につながるというか。失敗した道はもう歩まなかったりするわけじゃないですか。そこでだんだんとブラッシュアップされていって、ひとつのところを目指せるようになってくる気はしていますけど。失敗してもいいや、というか。
栗本:それを失敗じゃないと思ってればいいんですよね。いろんな道があるしねー。そう思ったら本当にあります。ちっちゃいときからいろんなこととかやって。
わたしもモデルでマネージャーさんに言われたのが、家を一歩出た時からすれ違う人に見られなかったら、もう一回家に帰って洋服を着替えてから出直しなさいって言われました。それくらい見られるという意識を持って常にいなさい、出ていきなさいっていうのがありました。そういうので、自分の中ですよね、意識とか。ガラッと変わりますよね。見られていいんだ、みたいな。あんまりこう嫌じゃないですか、人から見られるの。でもあー、見られないとダメなんだなこういう職業って、というのがあってそこからガラリと意識も変わってきますよね。そうすると仕事の方面とか、いろいろなところでいいように回ってきますよね。
それが仕事で出せるようになるかとか。物怖じせずになんでも表現できるようになるとか。
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前編は、二人の経歴とともに彼らのパフォーマンスを発揮する上でのマインドのありかたについてお伺いしました。後編でも引き続きお二人がパフォマーンスを発揮するために、いかにポジティブシンキングが大切か、ということを深掘りしていきます。